センスと色と感情について

会社勤めをしていた時はWEBサイトの制作やバナーの作成を業務としていました。
そんな自分と、イラストが描けるディレクターさんとの会話の中で印象が強かった事を無性に書きたくなりました。

ディレクターさんが手慣れた手つきでイラストを描かれていた時の事です。
僕が「やっぱり、イラストはセンスですよねー」と、言うと、ディレクターさんは
「いやいや、そんな事ないよ。君の方がすごいよ。」と、言われました。
きょとんとした表情で、ディレクターさんを見ていると、笑いながら
「イラストは練習して上達出来るけど、色、色彩感覚は上達というよりセンスだからねー」と続きを言われました。

普段から尊敬しているディレクターさんからの思わぬ一言。

その後も話は続き、同系色でもチョイスする微妙な色によって変わる雰囲気の話など、日頃から「色」と接する人であれば、珍しい話ではありませんが、その色のチョイスがセンスだったり個性だったりと、客観的な説明を受ける事で、アタマでは分かっている事がロジカルにつながった気がしました。

普段から尊敬しているディレクターさんから言葉だけあって心に響きました。

日頃から感情と色の関係を少しなりあると感じています。
気分がノッてる時に使う、暖色、明るい色は、全体的に元気な感じになったり、気分が落ち込んでいる時は、暖色でも心なしかグレーの量が多かったりと。

僕がまだまだ、感情に左右されてしまうほど未熟なのは分かっています。
ある時期は「それで良い。」と、割り切った事もありますが、プロとして色を扱う以上は、感情のコントロールと安定した色彩感覚が必要だと思い、心にどうしたら余裕が生まれるかを日々考えるようになりました。

尊敬するディレクターさんとは、離れてしまいましたが、その時の会話は今でも記憶に残っています。